強気① ~Yonkers編・Verse 1~

眠い。ファントムです


昨日、J. Cole主催のDreamvilleよりJ.I.Dのニューアルバム『DiCaprio 2』が出ましたね。しかし今日の記事はそれについてではありません。聴きこむのに少し時間がかかるんだよね


さて、本日の記事ですが、強気of強気ソング、タイラー・ザ・クリエイター『Yonkers』についてです。

こちらの曲ですが、とにかく強気なリリックで有名です。笑っちゃうくらい強気です。爆笑です。ということで、今回も和訳です

I'm a fuckin' walkin' paradox — no, I'm not
Threesomes with a fuckin' triceratops, Reptar
Rappin' as I'm mockin' deaf rock stars
Wearin' synthetic wigs made of Anwar's dreadlocks
Bedrock, harder than a motherfuckin' Flintstone
Making crack rocks outta pussy nigga fishbones
This nigga Jasper tryin' to get grown

About five, seven of his bitches in my bedroom

Swallow the cinnamon, I'ma scribble this sin and shit

While Syd is tellin' me that she's been gettin' intimate with men

(Syd, shut the fuck up)

Here's the number to my therapist (Shit)

You tell him all your problems, he's fuckin' awesome with listenin'

Jesus called, he said he's sick of the disses

I told him to quit bitchin', this isn't a fuckin' hotline

For a fuckin' shrink, sheesh, I already got mine

And he's not fuckin' workin', I think I'm wastin' my damn time

I'm clockin' three past six and goin' postal

This the revenge of the dicks; that's nine cocks that cock 9's

This ain't no V. Tech shit, or Columbine

But after bowling, I went home for some damn Adventure Time

(What'd you do?) I slipped myself some pink Xannies (Yeah)

And danced around the house in all-over print panties

My mom's gone, that fuckin' broad will never understand me

I'm not gay, I just wanna boogie to some Marvin

(What you think of Hayley Williams?)

Fuck her, Wolf Haley robbin' them

I'll crash that fuckin' airplane at that faggot nigga B.o.B is in

And stab Bruno Mars in his goddamn esophagus

And won't stop until the cops come in

I'm an overachiever, so how about I start a team of leaders

And pick up Stevie Wonder to be the wide receiver? (Cool)

Green paper, gold teeth, and pregnant golden retrievers

All I want – fuck money, diamonds, and bitches; don't need 'em

But where the fat ones at? I got somethin' to feed 'em

It's some cooking books, the black kids never wanted to read 'em

Snap back, green ch-ch-chia fuckin' leaves

It's been a couple months

And Tina still ain't perm her fuckin' weave

Damn

They say success is the best revenge

So I beat DeShay up with the stack of magazines I'm in

Oh, not again! Another critic writing report

I'm stabbin' any bloggin' faggot hipster with a pitchfork

Still suicidal, I am

I'm Wolf, Tyler put this fuckin' knife in my hand

I'm Wolf, Ace gon' put that fuckin' hole in my head

And I'm Wolf, that was me who shoved a cock in your bitch

(What the fuck, man?) Fuck the fame and all the hype, G

I just wanna know if my father would ever like me

But I don't give a fuck, so he's probably just like me

A motherfuckin' goblin

(Fuck everything, man) That's what my conscience said

Then it bunny-hopped off my shoulder, now my conscience dead

Now the only guidance that I had is splattered on cement

Actions speak louder than words, let me try this shit

Dead

これが歌詞です。バースごとに分けて和訳&解説していこうと思います。

I'm a fuckin' walkin' paradox — no, I'm not
Threesomes with a fuckin' triceratops, Reptar
Rappin' as I'm mockin' deaf rock stars
Wearin' synthetic wigs made of Anwar's dreadlocks
Bedrock, harder than a motherfuckin' Flintstone
Making crack rocks outta pussy nigga fishbones
This nigga Jasper tryin' to get grown

About five, seven of his bitches in my bedroom

Swallow the cinnamon, I'ma scribble this sin and shit

While Syd is tellin' me that she's been gettin' intimate with men

(Syd, shut the fuck up)

Here's the number to my therapist (Shit)

You tell him all your problems, he's fuckin' awesome with listenin'

俺は歩くパラドックスだ。いや違う
トリケラトプスとレプターと3Pしてるぜ
耳が聞こえないロックスターみたいにラップしてる
アンワーのドレッドから作った人工のウィッグを付けてな
火打石よりも激しくセックスして
クソな奴らの骨からヤクを作ってる
ジャスパーは170cmくらいしか身長がねえのに大人っぽく振舞ってやがる

アイツの女の5~7人は俺のベッドルームだ

シナモンを吸い込んで俺の罪のグラフィティを描く

シドが男が好きって言いやがるから

(黙れ、シド)

ほら俺のカウンセラーの電話番号だ

全部言ってみろよ、何でも聞いてくれるぜ

最初のライン「俺は歩くパラドックスだ」の直後に「いや違う」と言ってますが、これがこの曲のテーマであり、これから彼が言うことの多くにパラドックス、つまり矛盾が含まれます。気を付けましょう


レプターというのはアニメのキャラクターで、そのレプターとトリケラトプスとセックスしてるという表現です。ラップジーニアスによると、トリケラトプスは角が3本あるとされているで、デフ・レパードというバンドのドラマーが事故で片腕をなくしたこと(2本の足と1本の腕、つまり3本)をイジってるとも言えるそうです。次のラインの「deaf rock star」なので、「deaf」を「Def」と解釈して、デフ・レパード ”Def Leppard"のことを指していると考えているらしい。それはそうでもイジっていいことじゃないだろ


アンワーというのはタイラーがトップを務めるレーベル「Odd Future」のマネージャーのひとりで、タイラーの古くからの友人でもあります。誰も知らないと思われるアンワーの名前を出したのは、タイラーとしてはそういう人たちの名前を知ってほしかったと考えられます。あと単純にドレッドにしたかったらしい。しかも実はここでパラドックスが起こっていて、アンワーのドレッドから作ったカツラなら本物のカツラのはずなのに、ここでは ”Synthetic”「人工の」つまりニセモノと言ってます


”Bedrock”というのは本来「岩盤」とかそういう意味なんですが、ここでは恐らくBedをRockする、つまり「ベッドを揺らす→セックスしている」と解釈しました。これはダブル・アンタンドレと言われるとこですね。ダブルミーニングと日本語では言います。人としての「岩盤」が火打石よりも固い(”Harder than mutherfuckin' Flintstone”そのまま)とも取れますし、”Harder”を「激しく」と取れば火打石よりも激しく(?)セックスしていると考えられます。これがダブル・アンタンドレじゃ(”double entendre"と書きます。だいたい性的なものを指すことが多い)


何年か前、当時オクラホマシティ・サンダーというNBAのチームに所属していたスタープレイヤー・ケビン・デュラントが、同じくNBAスターのドワイト・ハワードかそのあたりに "You're Pussy!" と吐き捨てた事件がありました。pussyというのは女性器のスラングで、男性に対してこの言葉を使うことはかなりのディスになります。恐らく、男性に対する最も簡単な悪口の一つです。つまり”Making crack rocks outta pussy nigga fishbones”という部分は、「クソみたいな野郎どもの魚レベルのくそちっちぇー骨なんてコカインにしちまうぜ!Haha!」ということです。そんな「クソみたいな野郎ども」って誰なんだよ?という話ですが、恐らくタイラーが好きではない、もしくはダサいと思っているザコいアーティストのことを指しているんだと思います。強気


さらに次のラインに出てくるジャスパーというのはOdd Futureのメンバーの一人で、しかもラップがうまくない。そんなジャスパーにもセフレが7人もいるんですね。ここ正直和訳自信なくて、上記の和訳みたいにタイラーがジャスパーをバカにしているとも取れますし、もしくは、ジャスパーが5フィート7インチ(約170cm)しかないにもかかわらず女をひっかけまくって7人の女をタイラーのために連れてきた、もしくは、タイラーの寝室で7人の女を抱いてる、と取れます。たぶん褒めてるんだとおもう


みなさんは「シナモン・チャレンジ」をご存知ですか?テーブルスプーン一杯のシナモンを40秒以内に食べるアレです。シナモンは粉ですし、スパイスなので口に入れた瞬間にせき込むのが大抵のオチなんですが、それのことを指している。と思いきや、”Swallow the cinnamon"をタイラーは"Swallow the sin of men"と同じ発音で言っているので、「罪を全部飲み込んでくれ」という神様とかに対する命令かもしれませんし、「俺は罪を全部飲みこんで」から次のライン「俺の罪のグラフィティ」にするということなんだと思います。グラフィティにするというのは、タイラーの場合リリックに落とし込むってことでしょう。懺悔するってことです


次に出てくるシドというのは、Odd Future所属のバンド ザ・インターネットのボーカルの女性のことです。彼女はレズビアンであることを公言しており、そんな彼女が男とつるむワケないので、ここでもパラドックスが起こってます。さらに言うと、レズビアンの女性が男性と関係を持つのはある種吐き気を催すことですから、直前のラインのシナモン・チャレンジとの関係性もあるかと思います。


そんなシドに"Shut the fuck up"と伝えながら、そんなシドには自分のセラピスト、ここではカウンセラーと訳していますが、このセラピストというのは、過去のタイラーの楽曲でフィーチャーされたTC先生のことです("Tyler's Conscience"の略。「タイラーの良心」)。タイラーは自分が多重人格であり、タイラー本人とは別にWolf Haleyという人格がいることをずっと言ってます。エミネムも「ラップしてるのはエミネムじゃなくてスリム・シェイディだ」とか過去に言ってたことがあります。多重人格者というのは珍しくない。ちなみにこの曲ではWolf Haleyが基本的にラップしてます。たまーに出てくるカッコ書きの中はTC先生だったりタイラー本人だったりします。


そんなTC先生ですが、何でも聞いてくれるそうです。いやでもその直前のカッコで「シドちゃんちょっと静かにして」って言ってるのはタイラー本人なのか、TC先生なのか…… TC先生だとすると、何でも聞いてくれるはずのTC先生なのに「黙れ」なんて言わないはずですね?これがパラドックスです。メンタリズム



と、ここで一つ目のバースが終了します。これ読むには結構重いと思うので、バースごとで記事を分けようと思います。(解説も正直結構骨が折れる作業ではある)これを書くのに100回くらいYonkers聴いてるので、あと200回は聴くことになるでしょう。とりあえず、その②までに予習として聴いてみてね!

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