間に合わなくなっても知らんぞ
おはようございます。お疲れ様です。挨拶は大事。ファントムです
最近ヒップホップ界で面白いことなくてちょっとつまんないですね。ドレイクvsプシャも終わってるし、エミネムvsMGKもエミネムの勝利で終わりました。新譜も聴きたいな〜〜と思えるものがあまりない状況です。
そんな中、2015年にアルバムを出したっきりで一切リリースしてなかったヤツがやっっっっっとシングルを出してくれたので今回はそれについてです
そうです。Earl Sweatshirtです。Vince StaplesやTyler, The Creatorあたりと仲が良くて、音楽の方向性も似ています。この2人のように音楽の評価もかなり高く、ダラダララップするわりにはリリックも良くていいです
ビートにも特徴があります。とにかくピッチを落としてあって、前作『I Don’f Like S**t, I Don’t Go Outside: An Album By Earl Sweatshirt』のシングル曲『Grief』などを聴いてもらえればわかるかと思います。ドラムスまでピッチが落としてあるので、まず普通では聴くことのない音が聴けます。あ、ピッチダウンといえば、J. Cole『Power Trip』ですよね!(スネアをスローダウンさせてSFXとして使っている)
ちなみにこの動画で解説されてるんですが、最後の最後にコールがJay-Zのために作ったビートが流されてて、それもJay-Zの好きそうな、Timbalandっぽいビートでめちゃくちゃカッコいいですね
このようなドラムスをスローダウンさせる手法は実は僕も使ったりしていて、単なるディレイ(やまびこ的な何回も繰り返されるやつ)やリバーブ(エコーみたいなやつ。残響)とは違った表情が出てくるのでオススメです。
閑話休題。
アール・スウェットシャツは、Zach LoweじゃなくてZane Loweとのインタビューで楽曲『Nowhere2go』がどのように作られたかを話していました。なんでも躁鬱的な状態であったアールは、その精神状態をそのままラップにしたそうです。「ずっと鬱なんだよ」とか「死にてえ」「友達いねえ」などと仰っていて、僕も似たような時期がなかったわけではないのでなんとなく共感できます。
でも初めて聴いた時、「この曲適当に作ったのでは……?」と思ってしまったとここで白状します。どんな作り方をすればこのビートが作れるのか、プロデューサーを問いただしたいところです。恐らくサンプルにゲームっぽい音になるエフェクト(名前忘れた)合わせて繋いでるんだと思うんですが、意味不明なビートがまた曲のテーマと合っている
曲の内容も、これまでアールはあまり自分のマインドステイトだったり人との関係だったりの個人的なものに触れることは多くありませんでした。ウェストコーストのラッパーはあまりパーソナルな内容をラップすることを好まない傾向にありますが(勝手にそう思ってる)、最近のウェストコーストはあまりそういうの無くて、ケンドリック・ラマーはじめ、ヴィンスなども個人的なものをラップしてたりするので、昔は東vs西の構図だったのが、今ではリリカルvsトラップの構図に変わったようです。
事実、この曲でも彼は(恐らく)父親のことを話しています。
You went and gave me a cape / But that never gave me no hope
1月に彼の父親であるKeorapetse Kgositsile氏が亡くなったそうで、それによるショックもあって鬱だったんでしょうか。我らがラップジーニアスは、直前のラインとの関係性からか、ここでアールが指しているのはファンだという見方をしていました。おれは父親だと思う
ともかく、かなり中毒性のある曲になってますんで聴いてみてください。
アールはこれまで3つのアルバム、『Earl』『Doris』『IDLS,IDGO』を出してますが、個人的なお気に入りはメジャーデビューアルバムの『Doris』です
それはそうと、なんでEP『FM!』をリリースしたヴィンスじゃなくてアールの記事を書いているかというと、アールは今年中にアルバム出すって言ってたのにいつまで経っても出ないからです…… 早くしろ!
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