You ain’t let Nas down.
こんちゃー!ファントムだよ!
さて今回もJ. Coleの話です。ちょっと昔話です。飽きたとか言うなよ
J. Coleは元々ソーシャルメディア世代のラッパーであり、彼のミックステープが人気で、それをRoc Nationの代表であるJay-Zが聴いたことによってRoc-A-Fella Recordsとの契約に繋がりました。
レーベルと契約し最初に出したアルバムが『Cole World: The Sideline Story』です。このアルバム、今のコールのようなコンシャスな内容だけでなく、まだ若かったコールはいわゆるシングル曲を含めたアルバムを作りました。
ソーシャルメディアで注目を集めていたコールは、自分の尊敬するラッパーであるNasが自分の曲を聴いたと聞いて大喜びしたそうです。そして待望の、レーベル契約後のシングル曲やアルバムも、やはりNasの耳に届くわけです。
しかし曲を聴いたNasは、その売り上げを意識した(ように聴こえる)曲に対してガッカリします(少なくとも、したと言われていました)。もちろんアルバムにはコンシャスな曲も含まれていましたが。
コールはせっかく自分のことを評価してくれたNasをガッカリさせてしまったことを酷く後悔します。次のアルバムで『Let Nas Down』という曲を書くに至るほどに。まあこれはとりあえず「Nasさん尊敬してます!聴いてくれてぁざした!あとすんませんした!」みたいな曲なんですけど。
これで商業的な曲を書くことをしないと決意したコールはそれから、客演ナシのアルバムを作ります。それにより、あらゆる方面からプロップスを得るに至るのです。
しかし、『Let Nas Down』にはリミックスが存在します。『Made Nas Proud』とか『Let Nas Down Remix』なんて呼ばれる曲ですが、なんと、Nas本人のリミックスになってます。
ナズはコールを「Young King」と呼び、人気があって影響力を持つコールは自分の子供のような存在だとします。コールは特別な存在であり、そこら辺のラッパーとは格が違うということをナズが証明しています。
ナズとジェイ・ジーのビーフは有名ですが、コールはこれで、両者から認められる存在であるということを示し訳ですね。
しかし、ナズもただコールを認めるだけではなく、アドバイスもします。
ラッパーはやはり曲を売りたいので、自分が表現したいものと売り上げのバランスを取らなくてはなりません。しかしほとんどの場合、売り上げばかりに目が行ってしまい、ファンが離れてしまうということになります。実際に、コールは最初のアルバムで売り上げを意識した所謂シングルを収録してましたから、例外ではありません。そんなコールにナズは、自分自身であること=表現したいものを表現することの重要性を説きます。
そして曲の最後には、ナズは、最初のアルバムのシングルカット(『Work Out』)で確かにガッカリしたが、新しいアルバム(『Born Sinner』)を聴いてコールの存在を誇りに思った、とラップします。
ヒップホップのあるべき姿ですね。プロップス。
ということで、『Let Nas Down』収録のアルバム『Born Sinner』は名作なので、皆さん聴きましょう。
0コメント