J. Cole “KOD” 感想 ② 〜全体のテーマについて〜
どうも、Trademarkです。前回に引き続き『KOD』の感想です。今回は、アルバム全体のテーマについて。
前回の記事で『KOD』の3つの意味について書きました。
“Kids on Drugs” (ドラッグをやる子供達)
“King Overdosed” (やりすぎたキング)
“Kill Our Demons” (内なる悪魔を殺せ)
一見するとドラッグの誘惑だけのように見えますが、曲を聴いてみるとそうじゃないことがわかります。
Addictionという単語は「中毒」という意味で使われます。ヒップホップでは大抵の場合がドラッグに関するものになってますが、このアルバムのテーマはドラッグに限らず、色々な「中毒」にあるように思えます。
例えば、『KOD』や『FRIENDS』は典型的なドラッグ中毒とそれに関連した問題についての曲になってますが、『ATM』や『Kevin’s Heart』、『Photograph』といった、別の種類の「中毒」が表現されている曲もあるわけで。
このような様々な「中毒」との闘いの上で、それに対する誘惑をDemons「悪魔」と表現して、それに打ち勝つことの重要性を説いているアルバムなのです。
近年のラップ業界ではドラッグをやることを誇る内容の曲が人気です。所謂トラップミュージックはそれに入るんですが。こういう曲を書いているのが若い世代であることも、コールが伝えたいことにハマっていて。
単純にドラッグだけの問題であるなら、恐らくこれまでもあったことでしょうから大きな問題だと感じないのかもしれませんが、ドラッグと、それに関連した問題が大きくなっていること、その他の「中毒」の形が出来上がっていること、それをテーマにして、リスナーに対して意見するコール。こういう縮図でアルバムが進められています。
So, this album is in no way intended to glorify addiction.
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